砂上の楼閣H であってはならない。
起業家の中には、初めから壮大なビジョンを描き、大きなビジネスに打って出ょうとしている
人がいる。大きな夢やロマンは起業家には大切なことだ。大きいことはいいことには違いない。
そのベンチャー精神はよしとしなければならないが、向こう見ずなやり方では危険だ。
H
君子危
うきに近寄らずH と昔からいわれるが、危険だとわかっていながらとび出す愚かさはいけない。
小さなことから始めて、努力によってだんだん大きくしていくことがいちばん賢明である。
通信販売は現代にふさわしく、いいムードがあるといっても、注文があるかどうかわからない。
不確実要素があまりにも多い。
その点を充分に認識し、初めは小規模な「これならまちがいない」という商品(単品でもい
い)に賭ける
H
専門通販H からスタートしたい。
「大河も元をたどれば一滴の水から始まる」ことを忘れてはならない。
ターゲットの必要性は
H
商品μそのものにもいえる。
美容、健康、おしゃれ用品、宝石・貴金属、レジャー・スポーツ用品など、女性を対象に打ち
出した場合は確実にアピールする商品を選び、販売に力を入れることが大切だ。
ターゲットといえば女性に次ぐものとして、最近ではシルバー層も見落とせない。シルバー層
アピールする商品を選定し、通販ビジネスを進めていきたいもののニlズをしっかりと把握し、
である。
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④消費者志向に立ち、きめ細かなサービスに努める
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全国展開など初めからできるものではないが、通販事業を新たにやろうとしている人の中には、
初めから少しでも規模の大きなものをやりたいと考えていることが多い。規模を大きくすれば、
当然のことながら、名目上売り上げが上がるとみられるからだ。しかし、そう思うようにはいか
ない。待てど暮らせど、なかなかレスポンスがない。利誌など上がるわけはない。
当初からレスポンスは少なくとも、確実性を考えたい
n
そのためにも小規模な事業が望ましい。
規模が大きかったら、顧客とのコミュニケーションがうまくいかない。売り手が二万的に推し
進めてみても、受け手である顧客に顔を向けてもらえないようだったら、いくらいい商品を集め
てみてもビジネスは進まない。明けても暮れても暗い日が続くのでは、早ムベにお手上げだ。
暗い気運にさせてはならない。いつも明るく、少しでも活気を自らの手でつくり出し、ビジネ
スに新しい風を送り込んでいきたいものである。
小規模通販は小規模なだけに少人数でやることになろう。しかし、のろのろ運転ではビジネス
は冴えない。小さくとも機動力をもち、フットワークの早い行動が欲しい。受注、配送、苦情処
理などスピーディに対応したい。
受注したら、すぐ発送することは通信販売事業をやっていく上では基本中の基本といってよい。
注文した以上、顧客は一日も早く商品を欲しがっている。にもかかわらず、一週間、十日と経
っても届かないとしたら、
たり、
それだけで信用を失ってしまう。また注文した品をまちがって配達し
カタログのものより見劣りがしたりしていては不信感をつのらせ、苦情となって表面化し、
中には返品ということにもなってしまう。
注文を受けたら翌日発送では遅い。すぐ発送するというスピードこそ必要である。そして苦情
などが生じないよう細心の注意を払いたい。それでも苦情などが生じたら、
大きくならないうち
にすぐ処理にあたることだ。
通信販売を成功させるポイント
庖舗販売の場合、いつもお客様の立場に立って細やかなサービスに努めることが要求されるが、
直接顔を合わせない通販の場合でも、この気持を忘れてはならない。
通販を伸ばすには、一回限りの注文で終わらせることなく、何度もリピートしてもらうことだ。
そのためにも熱烈なファンにさせてしまうことが大切。顧客と同じ立場に立って初めてそれが可
能になってくる。