忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

現在、新しいコメントを受け付けない設定になっています。

いつものように

いまいましいヒンドゥークシュの山の斜面を登るよりも危険なことがあるとした
ら、真昼間に登ることぐらいのものだろう。白い雪と灰色の空を背景にすると、姿がくっ
きりと浮かび上がってしまう。
最初のヘリコプターのエンジンが焼けついたのは不運だった。そのため、ゞハグラム空軍
基地から飛んでくる機に乗り換えねばならなくなった。そして新たに到着したヘリが燃料
補給を終えるのを待つ羽目になったのだ。
ようやくチヌーク型ヘリコプターに乗り込んだが、予定が遅れているとはいえ、B兜爆
撃機が近くの山岳地帯に爆弾を投下している中に突っ込むわけにはいかなかった。爆撃の
せいで空はサイケデリックなピンクや黄色、オレンジ、紫のオーロラのような光に照らし
出されている。


見物するには悪くなかったが、アメリカが射撃能力を誇示したせいで時間がすっかりな
くなった。急がなければ計画にとって致命的な結果になる。
〃早くしなくては〃
先週の地震でさまざまな事柄に影響が出た上、アフガニスタンとパキスタンの国境沿い
の無法地帯にある山地はそれ以前から、支配権を巡って多様な勢力が闘争を繰り広げる不
穏な地域と化していた。

ザックのSEAL部隊の任務は、〃ランポー″に支援物資を運んでいる経路
を探し出し、〃コウモリの巣穴″すなわち隠れ家を突き止め、大規模な援軍を求めること
だった。
戦略の進め方について軍の幹部に見解を話してから、ザックは部隊のほかの三人とひた
すら待たされた。戦闘機の燃料と油の甘ったるい香りのする飛行場のにおいを吸い込んで
いると、マイク・ロバーツ大尉が指揮所から出てきた。

「選択肢は二つある」チヌークの鋼鉄の床に地図を広げてロ、ハーッは言った。「闇にまぎ
れて山を登れるように着陸地帯に着く方法はないから、計画を中止し、明日まで延期する
というのが選択肢その一だ」
「二十四時間遅らせるほうに賛成ですね」
ザックは地図を調べながら、選択肢その二がどんなものかにすでに気づいていた。決し
て楽しいものではない。

るから、選択肢その一を〃十二分に考え直す″ようにと指示された」
「つまり選択肢その二しかないわけですか」〃くそっ〃
「この任務はさらに大がかりなものになる」
「大がかりとは、どれほどです?」ザックは疑わしげに尋ねた。
「非戦闘員も乗せていく。CIAの奴らが二人だ」
「驚くことでもないな」このあたりの山地には、地元民と同じくらい多くの秘密工作員が
いるだろう。
「それに海兵隊が手を貸したいそうだ」
〃奴らなら当然だろうよ〃
「彼らの部隊はどれくらいですか?」
「九名の治安部隊だ。大尉をいれると十名になる」
ザックはしばし思案した。海兵隊が加われば、命令系統や部隊の統制に不具合が生じる
だろう。だが、狙撃の持ち場につくことを含めて、そのばか者どもが防衛にあたってくれ
れば、うちの部隊は自分たちの任務により專念できる。
「もっと銃を備えてもいいと、常々思っていました」ザックは言った。
「おれも司令部にそう言った。だから、陸軍からレンジャー部隊を派遣してもらうことに
も賛成したんだ」
PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

最新記事

P R